六甲山上にある六甲高山植物園(神戸市灘区)で、秋を連れてくる“渡り蝶”「アサギマダラ」が姿を現しています。例年より10日ほど早い飛来です。
アサギマダラは日本産のチョウの中では唯一季節ごとに渡りをするチョウとして知られており、本州から南西諸島などの長距離を移動します。マーキング調査では直線距離で1,500kmも移動した記録があり、フジバカマの蜜を求めて優美に羽ばたく姿が人気を集め、多くの人が写真を撮って楽しんでいるそう。
アサギマダラ(タテハチョウ科)は、前翅長40~60㎜の可憐なチョウで、名前の「アサギ(浅葱)」は青緑色の古い呼び名で、翅の薄水色に由来しています。幼虫は「キジョラン」など、ガガイモ類の葉を食べ、また、雄の後翅には、雌にはない黒褐色の性標があり、それにより雄雌の区別ができます。
フジバカマなどキク科の植物で吸蜜することが多く、例年では9月末まで見ることができます。
●フジバカマ(キク科)
秋の七草のひとつで、「藤袴」として秋の季語になっています。古くから日本で親しまれてきた植物ですが、戦後は生育地の開発でその数を減らし、現在は絶滅の危機に瀕しています。かつては六甲山にも自生していましたが、現在はほとんどその姿を見ることができないため、同園では約40年前に六甲山で採取した株から増殖したものを神戸薬科大学薬用植物園から譲り受け、栽培・展示されています。
<記者のひとこと>
日本で唯一の渡り鳥ならぬ“渡り蝶”が六甲高山植物に参上!美しい色合いに目を奪われそうですね。
詳細情報
- 見ごろ
- 2024年9月30日まで
- 場所
- 六甲高山植物園
(神戸市灘区六甲山町北六甲4512-150)
Google マップ - 開園時間
- 10:00~17:00 (16:30受付終了)
- 入園料
- 大人(中学生以上)900円
小人(4歳~小学生)450円 - TEL
- 078-891-1247